土地探しのお話

【知らないと予算オーバー?】土地購入にかかる費用

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駅からも近くて形も良い土地が7000万円で売られていたわ!

でも7000万円の土地ってどれくらい諸費用がかかるのかしら?

7000万円で売られているからといって土地はちょうど7000万円で買えるというわけではないんです。

7000万円の土地の購入するにあたりいろんな「諸費用」や「税金」がかかってくるんです。

今回はどんな諸費用がかかるのかを東京23区内で約35坪の土地を7000万円で購入し、建物を3000万円で建築、総予算1億円、そのうち住宅ローンを8000万円、自己資金2000万円で想定した場合のケースで考えてみましょう。

仲介手数料

モリシタ
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仲介手数料とは土地売買を仲介してくれた不動産屋に支払う手数料のことで、土地購入をお手伝いしてくれた不動産屋に支払う報酬のようなものですね。

この仲介手数料は諸費用の中でも特に大きな割合を占めます。

下の式を上限に仲介手数料は決まります。

仲介手数料 = 土地の価格 × 3% + 6万円 + 消費税 

7000万円の土地を仲介してもらうとなると、

7000万円×3%+6万円+消費税=237万6千円の手数料がかかります。

けっこうするんですよね……

ただ、不動産屋が持っていて直接売っている土地などは仲介手数料が不要になるので参考までに。

不動産登記費用

モリシタ
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不動産登記とは土地や建物といった不動産を取得した時に、その所在地や大きさ、権利関係、ローン利用時の担保状況などを明らかにし、法務局に記録することをいいます。

記録する時に発生する手続き費用を不動産登記費用といいます。

登記費用には登記にかかる「登録免許税」と代行して手続きをしてくれる司法書士に支払う司法書士報酬」の2種類あります。

登録免許税

土地所有権移転登記  固定資産税評価額 × 2%(軽減措置1.5%※)
建物所有権保存登記  固定資産税評価額 × 0.4%(軽減措置0.15%※)
抵当権設定登記借入金額 × 0.4%(軽減措置0.1%※)
※ 2024年3月31日までに登記すれば軽減措置が利用可能

主に土地を取得した時にかかる土地所有権移転、建物を新築した時にかかる所有権保存登記、住宅ローンを組んだ時に担保登記する抵当権設定登記があり、それぞれに計算式があります。

計算の元になる固定資産税評価額というものがあるんですが、土地はだいたい時価(売買金額)の70%、建物はだいたい請負工事金額の60%が目安になります。

軽減措置を使って7000万円の土地で移転登記費用が約70万円、3000万円の建物で保存登記が約3万円、抵当権設定登記が8000万円の借り入れで8万円になります。

また、建物はこれから新しく建築するので新しく住所や大きさ、構造などを明確にする表題登記が必要になります。

建物の大きさにもよってくるのですが3000万円の建物を建築する時表題登記費用はだいたい10万円程かかります。

司法書士報酬

司法書士報酬とは例えば現地調査をしたり、書類の作成をしたり、代行して申請手続きを行った司法書士に対して支払う報酬のことです。

一概に司法書士報酬額と言うのは一律で決められているわけではなく、金額は司法書士事務所によりけりなのですが、今回のケースでは土地の所有権移転登記、建物の所有権保存登記、抵当権設定登記あわせて全部でだいたい20万円ぐらいが相場になります。

印紙代

モリシタ
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印紙代というのは不動産の売買契約書や建物の請負契約書を作成する時に貼る印紙代金のことです。

これらの契約書は課税される文書として法律で決まっていて、売買する金額に応じて印紙税を払わなければいけないんです。

契約金額本則税率軽減税率※
100万円超 500万円以下2,000円1,000円
500万円越 1000万円以下1万円5,000円
1000万円越 5000万円以下2万円1万円
5000万円越 1億円以下6万円3万円
1億円越 5億円以下10万円6万円
※本来は本則税率が適応されるのですが2024年3月31日までに
作成される契約書については軽減税率が適応されます。

この表に沿っていくと軽減税率適応で7000万円の土地を契約すると3万円、3000万円の建物を契約すると1万円の印紙代が発生することになります。

住宅ローン手数料

モリシタ
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多くの人が利用する住宅ローンですが、ローンを組む場合に貸し付けてくれた金融機関に手数料を支払う必要があるんです。

そしてその手数料の中でも「融資手数料型」か「保証料型」の2種類あるんです。

融資手数料型

融資手数料型の中でも「定率型」と「定額型」があります。

  • 定率型 借入金額×2%+消費税 8000万円借り入れだと176万円
  • 定額型 数万円の手数料だが金利が少し高くなる

一見定額型の方が金額だけで比べると安そうでお得に感じてしまいますが、金利が高ければ毎月の返済額は多くなるため必ずしもお得とは限らないんです。

保証料型

保証料型には借入時に保証料を「一括前払い型」と金利に上乗せする「金利上乗せ型」の2種類があります。

  • 一括前払い型 借入金額×約2%程(金融機関によって多少変わる)
  • 金利上乗せ型 住宅ローン金利に0.2%上乗せ

これも融資手数料型と同じように先にまとまったお金を保証料として支払うか、分割で毎月の返済が少し高くなるかの違いです。

一括前払い型は先にまとまった高額のお金が必要にはなりますが、トータルの返済額は金利上乗せ型に比べて安くなります。

結局どっちがいいの?

融資手数料型と保証料型とありますが金額と借入期間と借入先の銀行の金利がどれくらいかによって変わってくるため比較するのが難しいんです。

ただ、融資手数料型は借入額に対して一定ですが、保証料型は返済期間が長くなると総返済額は高額になり返済期間が短くなれば返済額は低額になります。

ローンの組み方や返済方法次第で変わってはきますが、トータルでみると結局は同額ぐらいの金額がかかってくるので、今回は数字がはっきりと表されている融資手数料型の176万円が住宅ローンの諸費用でかかるとしましょう。

固定資産税・都市計画税

モリシタ
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固定資産税・都市計画税とは毎年1月1日時点で、土地の所有者に対して課税される税金のことです。

その1年の途中で土地を購入した場合は、売買代金の支払い時に日割りで清算することになります。今回は1年の半年目で購入したと仮定しましょう。

固定資産税・都市計画税の算出式は

  • 固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1.4%
  • 都市計画税 = 固定資産税評価額 × 0.3%

固定資産税評価額はだいたい時価(売買金額)の70%程になります。

モリシタ
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固定資産税は4900万円×1.4%で68万6千円

都市計画税は4900万円×0.3%で14万7千円

合計83万3千円の日割り計算で今回は半年なので半分の41万6500円になりますね。

ただこの固定資産税というのは軽減措置があって、住宅用地でそこに建物が建っていれば課税標準を6分の1、都市計画税は課税標準を3分の1に軽減できる措置があります。

1月1日の時点で購入する土地に建物が建っているか既に更地になっているかで支払う金額が変わってくるということです。

不動産取得税

モリシタ
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不動産取得税とは呼んで字のごとく土地や建物といった不動産を取得した時に納める税金のことです。

土地契約時には費用はかからないのですが、土地引き渡し後、建物引き渡し後に一定の税率がかけられて費用が発生します。

不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 4%

  • 土地(軽減措置※1) 固定資産税評価額 × 1/2 × 3% - 控除額※2
  • 建物(軽減措置※1)(固定資産税評価額 - 1200万円※3) × 3%

※1 2024年3月31日までに取得した場合軽減措置が適応可能

※2 45,000円か1㎡あたりの評価額×1/2×住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)×3%いずれか   高いほう

※3 長期優良住宅であれば控除額が1300万円になります

土地に関しては軽減措置を受けるために土地を取得してから3年以内にその土地に建築することが条件でありますが、住宅を建てるために土地取を得される方はほとんどがこの条件にあてはまります。

この計算式に当てはめると土地の不動産取得税は実は0円、建物は18万円になります。

モリシタ
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東京の高額の土地で軽減措置が適応されないと数十万円~数百万円かかる不動産取得税が0円になるのは非常に大きいですよね!

火災保険・地震保険

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火災保険・地震保険とは住まいが火災や地震の被害にあった時に、損害を補償する保険のことをいいます。

建物だけでなく家の中にある家具や家財も補償の対象にすることも可能です。

どちらも最大で5年間保険をかけることができ、5年後はさらに5年継続するか選択できるようになっています。

火災保険は建物でかかった金額に対して保険をかけることができ、火災によるものだけでなく風災、水災、雪災、盗難、破損など幅広くカバーすることが出来るのでほとんどの方が保険をかけられています。

地震保険は被害にあっても最大で建物金額の半分しか保険金がおりず、その損害程度によって補償額が変動します。地震保険は火災保険に入っていないと入れないのですが、火災保険には入るけど地震保険は入らないという方も中にはいます。

保険料は建築するエリアや金額、木造か鉄骨によって金額が上下するのですが、東京都内で耐震性能の高い3000万円の木造である程度補償がカバーできるものでだいたい5年間で30万円ぐらいの保険料になります。

消費税

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実は土地は消費税がかからないんです。そもそも消費税は消費されるものに課せられる税金で、土地は消費するものではないため消費税がかからないんです。

一方で建物方は消費税がかかります。3000万円の建物の10%なので300万円の消費税が発生します。

まとめ

土地7000万円、建物3000万円にかかる諸費用(千円以下は切り捨て)
  • 仲介手数料            237万円
  • 不動産登記費用          111万円
  • 印紙代              4万円
  • 住宅ローン手数料         176万円
  • 固定資産税、都市計画税精算    41万円
  • 不動産取得税           18万円
  • 火災保険・地震保険        30万円
  • 消費税              300万円
  • 諸経費計             917万円

けっこう諸費用ってかかるのね。7000万円で土地を探していたけどその他にかかる費用も計算に入れておかないと予算オーバーになるところだったわ…

多少前後するところもあり確実な数字ではありませんが、土地購入にかかる諸費用はいかがでしたでしょうか。

今回は予算1億円で7000万円の土地、3000万円の新築住宅で諸費用のシミュレーションをしてみました。

私が前職で家づくりのお手伝いをしていた時は、東京の土地ということもあり1億円近い、或いは1億円以上の土地に建物を建てるお客さんがたくさんいました。

土地・建物の金額が高くなればなるほど諸費用も高くなっていきます。

目先の売り出されている金額だけでなく奥に潜む諸費用も考慮しながら住まいづくりはトータル的な予算で検討していきましょう!

私について
森下圭祐
森下圭祐
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級
元大手ハウスメーカー営業(10年) プライベートでは、妻、子(4歳)、ペットのポメラニアン&ベタ(熱帯魚)と暮らしています。 趣味は家庭菜園と旅行とゴルフ。

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