土地探しのお話

【失敗しやすい!】夢のマイホーム建築!土地だけ先に買ってもいい?

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希望しているエリアでいい土地が出たわ!

少し高いけど他の人に取られたくないから契約しよう!!

こんな感じで土地を契約した後に、さぁこれからどこで建物を建てようかと検討する方は多いんじゃないでしょうか。

確かに土地は「ご縁」的なところもあって、買おうかどうか迷っていると他の人に購入されてしまったみたいな話も聞いたことはありますが、実は先に土地を契約してこれからハウスメーカーを検討するやり方はリスクが存在します。

この記事ではこれから土地を探して注文住宅で建築をする時にどんなリスクがあるのか、またどんなことに気を付けたらいいのかを私の経験談も踏まえて書いていますので参考にしてみて下さい。

希望の間取りが取れない!?

土地を先に契約してこれから住宅展示場に行って相談したときに希望の間取りが取れないというリスクがあります。

私がハウスメーカー時代にあったお話なのですが、東京都23区内で3階建て希望でいろいろ要望を聞いたのですが、検討している土地は東京特有の「斜線」の影響で3階部分が思ったより取れず、うまく間取りがおさまらないというケースがけっこうありました。

当時のお客さんと不動産屋さんとのやりとりはこんな感じです。

この土地すごく気に入ったんだけど3階建ては建てられるのかしら?

あんまり土地の大きさがないから出来れば3階建てにして床面積を目一杯取りたいんです。

はい。この土地は3階建ては建てられます。

容積率※も十分余裕がありますし、隣の家も3階建てなんですよ!

そうなのね!それに隣も3階建てが建っているなら安心ね。

この土地契約します!

※容積率とはその土地に対して建てられる床面積の割合のこと。

その契約した土地は25坪で容積率が150%だったので最大37.5坪まで床面積で建てられるということで3階建てにしたかったとのことなのですが、実際には3階部分は斜線の影響でほとんど3階部分が取れませんでした。

なぜ3階部分がほとんど取れなかったかというと「北側斜線」の影響をがっつりと受けてしまっていたからです。

北側斜線とは北側の隣地にある住宅に日の光が入るよう配慮した規制のことで、要はその斜線の制限内に新築する建物をおさめなさいということです。

今回のお客さんは一番左の第一種高度地区の該当エリアのため一番厳しい斜線に該当してしまうんです。

図のように2階部分でさえも斜線により一部勾配の天井にもなってしまうので、3階を建てようとすると隣地境界から建物をかなり離して建てるか、建てられたとしても3階部分はほとんど間取りが取れないでしょう。

こんな規制があったのね。

でも一番厳しいはずのエリアなのになんで隣は3階建てが建っているのかしら?

こんな感じで購入地の隣の人の家は北側にも道路があったんです。

実は北側に道路があると北側斜線は敷地の境界からではなく道路の反対側から斜線がかかってくるので、隣の家は斜線が緩和されていたんです。

なので自分のところは斜線がかかってしまい思うように3階部分が取れなかったのに対して、隣の家は北側が道路だったので3階建てが建てられていたんです。

この東京の厳しい斜線制限を知っておかないと隣が3階建てが建っているからといって自分のところも建つとは限らないんです。

防火地域に気をつけろ

幹線道路沿いやその近く、商店街付近、駅の近くなどのエリアでは「防火地域」と呼ばれる建築規制のエリアが存在します。

モリシタ
モリシタ

言葉からなんとなく分かるかもしれませんが防火地域で建てる建物はより火に強い設計が求められるんです。

東京には「防火の指定のない地域」、少し建物に規制がかかる「準防火地域」、より規制がかかる「防火地域」の主に3つの指定があって、指定なしと準防火地域ではそこまで大きな規制がなく住宅が建てられるのですが、防火地域に該当してしまうと規制が厳しくなって間取りに影響したり金額が高くなったりするんです。

せっかく駅から近くていい土地が買えたと思ったのに間取りが取れなかったり、金額が高くなるんだったらもう少し駅から離れた土地にすればよかった泣

読んで字の如く「防火」とありますがじゃあ実際に住宅を建てる時にどんな規制があるのか見ていきましょう。

3階建てのコストが割高になる

防火地域内で3階建てを建てる場合は鉄筋コンクリート造か、高い断熱と耐火対策が施されている鉄骨造でしか原則建築が出来なくなります。

一部の木造メーカーでは木造3階も対応可能のようですが、鉄骨と同等の性能が求められるのでかなり割高になります。

防火地域内では建てる構造体に向き不向きが出てくるので、安く建てたいのに木造3階で考えていたがかえって鉄骨より高くなる可能性が十分にあるんです。

建物はなるべくお金かけずに建てたいと考えていたら危ないので要注意です。

100㎡を超えると…

建てようとする建物が全部で100㎡(約30坪)以内であれば防火規制がかからず割高にはならないのですが、100㎡を超えると階数かかわらず防火規制がかかってくるので建築費が割高になります。

感覚的には通常コストより坪あたり5~10万円程上がるかと思います。

選べる設備や素材が限定される

コストが上がるところにも関連しているのですがこれがけっこう影響としても大きいですし、打合せしていても、「え、これは選べないの?」というお客さんの嘆きをよく聞きます。

一般的に全国規模のハウスメーカーというのは全国の規制を基準にして商品開発、商品展開していることが多いんです。

なので東京のエリアに特化した商品を作っているということではないんです。

どういうことかと言うと全国的には防火地域というのは少ないので、防火地域に対応できる素材や設備があまり多くないということです。

特に外壁材や窓まわり、玄関ドアなどは防火地域では高い耐火性能を求められるので、選べる幅が限定されてしまい使いたかった素材が使えなかったり、希望していないのに使わざるを得なかったりするんです。

モリシタ
モリシタ

大きな窓を付けて庭との繋がりを取り入れたかったのに、防火対応している大きな窓がなくて、渋々窓を小さくせざるを得なかったお客さんがいたこともありました。

おそらく土地の契約の際に防火地域内でも住宅は建てられますよという助言に従い購入したんだと思いますが、不動産屋さんはあくまでも土地取引のプロであって建築のプロではないんです。

このようなリスクがあることを熟知したうえで土地契約を進めることをおすすめします!

え?後で金額が上がるとか聞いていないんですけど…

これは土地を先に購入するリスクというよりも、土地を契約する際に後々金額面でトラブルになる可能性があるポイントをまとめました。

後で追加の費用がかかるって言われたら本当に嫌な気分になりますよね…

ガラが出たときの費用負担

ガラとは建設廃材の総称で、前に解体した建物の瓦やコンクリート、鉄くず、解体しきれなかった部位が地面の中に埋まっていることがあるんです。

土地も決まって建築会社も決まってさぁこれから工事開始だ!という時にまず基礎を作るのに地面を掘るんですが、その時にはじめてガラが出てきたことが分かるんです。

当然、ガラが出てきたら建築に支障が出てくるので撤去しないといけなくて、出てきたガラの量にもよるんですが撤去費用も数十万円とけっこうかかるんですよね。

こういうケースっていうのは基本的には瑕疵担保責任と言って見えない隠れた瑕疵(欠陥)が見つかったら売主が負担しないといけないんです。

ただ、売買契約時に売主都合でこの瑕疵担保責任は負いませんという特約が入っていることが稀にあって、要は土地に何かあっても責任は負いませんよ、買主さんで何とかしてくださいねという特約です。

何かあっても責任取りませんよってなかなか恐怖な特約ですよね…

モリシタ
モリシタ

私のお客さんでこの特約は入っていたのは知っていたんですが、まさかガラが出てきて撤去するのに50万円近くかかったことがありました。

契約書にサインしているので「知らなかった、説明不足だ!」では時すでに遅しなんです…

基本的に不動産屋は買主に説明はするんですがサラッと契約書を読まれて流されがちなので、土地を買った喜びをぐっと抑えてそこは契約前に確認するようにしましょう!

ライフラインは整っているか

買った土地に水道、電気、ガスなどのライフラインは引き込まれているかということです。

え?そんなの当たり前にあるんじゃないの??と思われがちなんですが、実は何にも整備されていなかったら追加でかなり額の引き込み費用が発生します。

特に上下水道はかなりの金額がかかるので要注意です。

敷地内に水道が通っていれば建物と水道をつなぐ工事だけで済むのですが、もし敷地内に水道がなかったら前面道路を掘削して水を敷地内に引き込む工事が必要になります。

この引き込み工事がけっこう高くて高低差があるなどの条件にもよりますが100万円前後かかるんです。

当たり前にあると思っていた水道が通っていなくて、ハウスメーカーに見積もりしてもらったら引き込み工事だけで100万円かかるって…

もっと事前に確認すればよかったわ。

例えば駐車場だった土地を購入すると水がないので引き込みが必要だったり、1つの土地をいくつか分割して販売する際に水を新たに通す必要がある土地だったりします。

前面道路が私道

道路には主に国や都道府県、市区町村が所有している公道と個人が所有している私道があります。

新築工事をする時に前面の道路を掘ってガスや水道の工事をするわけですが、道路が私道だと所有者に承諾をいただかないと工事が出来ないんです。

所有者から承諾をもらえばいいのよね。そんなの簡単な話じゃないの?

こう思われている方もいるんじゃないでしょうか。

例えば、道路所有者が複数名いてその誰もが近くに住んでいなかったらどうでしょうか。

所有者は1人とは限らず相続や売買の関係で複数名いることもあったりします。

しかも皆バラバラのところに住んでいて、場合によっては所有者を見つけるのにかなり時間を要することもあります。

そうなるとスケジュール通りに事が運べなくなったりします。

また、稀に掘削料として数十万円かかりますと交換条件を出してくる所有者もいたりします。

その他にも承諾書に署名がもらえないので水道工事、ガス工事が出来ない、通行するのに通行料をとられるといった内容のトラブルも聞いたことがありますので前面道路が私道の時は、しっかりと不動産屋に状況を確認して想定されるリスクを事前に知っておく必要があります。

最後に

土地だけ先に買って後でハウスメーカーを決めようとすると後々後悔してしまう見えないリスクが存在します。

本当は土地を決める前に住宅展示場など回ってある程度ハウスメーカーを絞るのと並行して土地探しをしていくのがベストかと思います。

ただ、展示場に話を聞きに行く時間が取れない、話を聞きに行ってガツガツ営業されるのが苦手だ、そもそも土地探しをどのように始めたらいいか分からない、といったお悩みもあるかと思います。

私は建築規制が一番厳しい東京で10年間ハウスメーカーに勤めた経験から、営業でありながら間取りが描けるようになりました。

不動産屋としての土地紹介、アドバイスと併せて他の不動産屋にはない間取りの相談や提案、お客様のご希望に合ったハウスメーカーのご紹介、ファイナンシャルプランのご提案といったサービスも提供させていただいております。

これから土地を探して家を建てたいが不動産屋やハウスメーカーのような業界特有のバンバン営業されるのが苦手な方、住プラン不動産に是非お気軽にご相談ください。

皆様のお役に立てるよう柔らか~い姿勢でアドバイスさせていただきます。

私について
森下圭祐
森下圭祐
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級
元大手ハウスメーカー営業(10年) プライベートでは、妻、子(4歳)、ペットのポメラニアン&ベタ(熱帯魚)と暮らしています。 趣味は家庭菜園と旅行とゴルフ。

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