【旗竿地って何!?】旗竿地を検討する際のポイント
こんにちは!住プラン不動産の森下です。
私は前職で東京で10年間ハウスメーカーで営業職として勤務していました。
土地から検討するお客さんも多かったのですが、特に東京では「旗竿地」と呼ばれる土地で検討するお客さんも多かったんです。
この記事ではそもそも旗竿地とはなんなのか、また旗竿地を選ぶ際のポイントを書いていますので、これから土地探しをして家を建てたい方は是非ご参考下さい。
そもそも旗竿地とは
旗竿地(はたざおち)とは道路に接している間口(敷地幅)が狭く、その先にまとまった土地がある形のことをいいます。
路地上敷地ともいいます。
図のように土地の形が竿についている旗のように見えることから旗竿地と呼ばれています。
実はこの旗竿地は近隣の整形地の土地相場と比較して2〜3割程安くで売られていることが多いです。
特に私が前職でハウスメーカーで勤務していた東京では土地の価格がすごく高いので、2〜3割安くなると予算に余裕ができ、抑えられた分建物の内装や設備のグレードアップ費用に充当することができます。
また、道路から距離があるので通行人の視線を気にすることなく静かに暮らすことができますね。
東京で住むのに安くで購入出来て視線も気にせずにすむ魅力的な旗竿地ですが、もちろんデメリットも存在します。
デメリットを知らず購入することがないように選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。
通路部分の用途が限られてしまう
旗竿地の通路部分は2m以上で広くても4mぐらいなんです。
なのでそこに建物を建てるのは難しく通路部分の用途は駐車スペースか玄関アプローチの2択になりますね。
特に駐車スペースで活用する場合は通路幅が2mしかない旗竿地だと車の乗り降りがすごく困難で、車の横を人が通るのもなかなか大変です。
また、隣地との境界には塀が建てられていることが多いのですが、さらに圧迫感があって駐車スペースとして活用するには2mだと非常にストレスを感じてしまうかと思います。
駐車スペースとして活用するなら通路幅は最低でも2.5mぐらいは欲しいところです。
ただ、都内で常に公共交通機関を利用し車は必要ない方であれば、2mの通路幅でも特に問題ないです。
旗竿地を検討する際は駐車スペースを作るかどうかで幅の確認もポイントになります。
建築コストが高くなる
旗竿地で建築すると通常の土地で建築するよりも建築コストは高くなってしまいます。
それは旗竿地の通路の部分が影響しています。
- 通路が狭いと特殊なクレーンを使わないといけなくなる
- そもそもクレーンが使用出来ないと人を増やしての作業で人件費がかかる
- クレーン施工時に運搬車を通路部分に停めるため小型運搬車への積替え費がかかる
- 通路がある分水道管やガス管が通常の土地に比べて長いため費用が上がる
すべての旗竿地で該当するわけではないですが、特に通路幅が2mしかないような旗竿地だとクレーン施工が非常に困難になるのでどうしても建築コストは高くなります。
また、水道やガスの引き込み費用が通常の土地に比べて高くなります。
通常ガス管や水道管は道路の下を通っており、新築時には掘削して建物と管を繋げることでガスや水道が使用可能になります。
旗竿地の場合道路から建物までどうしても通路分の距離が出てきますので、その分だけ長く管を引く必要があるため費用が高くなってしまいます。
私の営業時代の肌感覚ですが旗竿地で30~40坪ぐらいの2階建てを建てると、通常の土地に比べて100~200万円ぐらいは高くなります。
旗竿地自体は比較的安くで購入することが出来ますが、建物で費用が高くなってしまうので注意が必要です。
隣地に囲まれているので暗くなりがち
旗竿地というのは隣地に囲まれていることが多いんです。
そうなると周囲と接する形になるので特に隣の建物が自分の敷地に近い位置で建っていると、光が入りにくくなるのでどうしても暗くなりがちなんです。
特に東京で多い旗竿地ですが、東京はご存じの通り住宅が密集していて隣との距離も非常に近い住宅が多いです。
そうなるとどうしても光が入りにくく、日の低い冬なんかは場所によっては全く日が入らないような土地もあったりします。
また、旗竿地の前の土地がまだ更地の状態だとこれからどんな建物が建つのか事前に確認しておくことも必要です。
更地のままの状態だと日当たりは確保できますが建物が建ってしまうと途端に暗くなってしまい、更に3階建てが建ったりするとそれこそ日照時間は限られてしまいます。
旗竿地を購入する時はこのような状況になることも想定して検討する必要があります。
建築会社によっては施工不可のところがある
大手ハウスメーカーなどは自社の工場で部材を作ってトラックを使って現場に運ばれてきます。
そしてその運ばれてきた部材をクレーンを使って組み上げていきます。
例えば昔ながらの大工さんのように現場で部材を切ったり加工して金槌やビスを使って作り上げていくものではなく、すべて自社工場である程度の形まで作り、そこからトラックで運ばれてくるので現場では接合部をボルトやビスで止めるだけの単純作業になります。
プレハブ住宅と呼ばれていますが、それにより効率化と誰が施工しても均一の仕上がりになるよう施工の安定性を図っています。
ただ、工場である程度の形まで作ってくるということは、クレーンを使用しないと工事が出来ないということになります。
なので旗竿地の奥に入っていく通路の部分が極端に狭かったり、通路が長かったりするとクレーン自体が入らなかったり敷地まで届かなかったりすることがあるため施工が出来ない会社もあったりするんです。
旗竿地で検討する際は、事前に建てたいメーカーをある程度絞って施工可能か確認しておく必要があると言えます。
まとめ
- 通路部分の用途が駐車スペースか玄関アプローチかの2択
- 建築コストが高くなってしまう
- 周囲に囲まれて暗くなりがち
- 建築会社によっては施工が出来ない
いくつか旗竿地のデメリットや選ぶ際のポイントを書きました。
とは言っても、特に土地の価格が高い東京においては周辺相場と比べて2~3割程安いというのは本当に魅力です。
ハウスメーカーで10年営業として勤務してきましたが、私は一概に旗竿地が悪い土地だとは思いません。
旗竿地でも上で書いたようなデメリットを十分理解した上で、建てたい会社で希望の間取りが確保でき、さらに予算内に収まるのであれば十分旗竿地でも検討出来ます。
要はどんなデメリットがあるのか事前にしっかり確認しておく必要があるということです。
土地探しでお困りの方、ご相談事があればお気軽に住プラン不動産にご相談下さい!