【要注意】家を買うのにかかる総額費用は?見積もりから1000万円上がることも…
そろそろ家を買おうかな、でもどれくらいお金がかかるんだろうと不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では家を建てるのにどれくらいどんな費用がかかるのか、また、見積もりが出て「さぁ、これからメーカーを決めよう」としたときにどんなところに注意したらいいかを書いています。
今回は35坪2階建て4LDKの大きさの建物を建築することを想定してどれくらい費用がかかるのかみていきましょう!
※高いメーカー、安いメーカーそれぞれありますので今回はその中間をとって算出したいと思います。
建物にかかる費用
まずはじめに建物にかかる費用は大きく次の3つに分類されます。
- 本体工事費用
- 付帯工事費用
- その他諸費用
本体工事費用
本体工事費用とは基礎、柱、外壁、屋根などの外側のハード部分と内装、設備といった内側のソフト部分の全体の工事費用のことをいいます。
内装には収納、壁紙、床材、建具、設備にはキッチン、洗面カウンター、お風呂、トイレ、給湯器などがあります。
この本体工事費用はメーカーの性能によって大きく差が出る部分になりますので、メーカー比較している方はこの項目が重要なポイントになるでしょう。
中間コストメーカーで35坪の2階建てでだいたい2500万円ぐらいになります。
付帯工事費用
付帯工事費用とは建物本体以外にかかる費用のことをいいます。
例えば給排水工事やガス工事などをいい、ここはメーカーの性能はあまり関係ないのところなので本体工事に比べて各メーカーそこまで大きく差は出ないところです。
屋外給排水工事
水道メーターや公共桝から家の内部まで水道管を接続する工事のことをいいます。
既に敷地に道路から水道が引き込まれていれば屋外給排水費用は100万円前後ですが、新たに道路から敷地に引き込みが必要であれば追加で100万円程かかります。
ガス引き込み工事
都市ガス利用であれば新築する建物にガスを引き込む工事のことをいいます。
引き込み費用はおおよそ25万円程になります。
エアコン工事
エアコンと室外機の取り付け費用。
4LDKの間取りで各部屋に設置すると想定して計5台で100~120万円程。
床暖房工事
LDK部分に入れることが多く床暖房があればエアコンは付けなくてもいいぐらい部屋全体をじんわりと温める効果もあります。
20帖程のLDKに入れたと想定するとだいたい40万円ぐらいかかります。
照明工事
ダウンライトや近年流行っている間接照明など建物内の照明設備の工事のことをいいます。
50万円ぐらい見ておけば綺麗な間接照明やおしゃれなダウンライト工事が可能です。
カーテン工事
窓が全くない家であればカーテンは必要ないので費用は発生しませんが、まずそんな家はないですよね。
35坪の2階建て4LDKで50万円ぐらい見込んでおけばおしゃれなカーテンも付けることができ、多少窓の大きさが変わっても問題ないかと思います。
地盤改良工事
改良の必要のない強い地盤であれば費用はかかりませんが、そこまで強くない地盤であれば地盤の土質にもよりますが改良費用が発生します。
35坪の2階建てだとだいたい150~200万円ぐらいは必要になるかと思います(地中4mぐらいまで地盤が弱い場合)
外構工事費用
植栽、駐車場、門扉、玄関アプローチなどの外回りの工事費用のことをいいます。
大きなガレージシャッターを付けたい、たくさん目隠しを付けたいなど要望がたくさんあればその分だけ金額は上がりますし、植栽や門扉もなくオープンで無機質な外構でいいということであれば金額は下がりますが、30~35坪の敷地でだいだい250~300万円ぐらいは外構工事費用としてみておくといいかと思います。
その他諸費用
その他諸経費には本体工事、付帯工事の建設費用以外に必要な費用のことをいいます。
建物以外にも費用としてけっこうかかりますのでお忘れないように。
契約印紙代
契約書を作成する際に課せられる印紙税のことをいいます。
建築工事の請負金額が1000万円~5000万円だと1万円、5000万円~1億円だと3万円、1億円~5億円以下だと6万円かかります。
登記費用
建物が完成したときにその建物の面積や構造、住所、建物の権利関係、住宅ローンを組む場合担保設定などを明らかにするために法務局に登録する費用のことをいいます。
計算すると細かくなってしまうので省略しますが35坪の2階建てで住宅ローンを組む場合だいたい25万~30万円ぐらいかかります。
火災保険・地震保険
完成した建物が災害によって損傷を受けたときにかける保険のことです。
保険適応範囲は幅広く特に火災保険は建物以外のところでも万が一の時に効果を発揮するのですが、35坪の2階建てで最大5年間(5年後は更新)諸々カバーできる内容で30万円前後です。
住宅ローン保証料
住宅ローンを組む場合返済が滞った時に備えてあらかじめ保証会社に支払う費用のことをいいます。
借入金×2.2%が目安になるので3000万円の住宅ローンを組む場合66万円が保証料として発生します。
全体的な費用
建物にかかる費用として本体工事費用、付帯工事費用、その他諸費用があると説明し、35坪ぐらいの2階建てを建築したと想定して費用を算出してきました。
まとめると以下のようになります。
- 本体工事費用 約2500万円
- 付帯工事費用 約800万円
- その他諸費用 約125万円
- 消費税 約330万円
- 合計 約3755万円
だいたい中間コストのハウスメーカーだと税込みで坪100万円を少し超えてくるかなというような価格帯になるかと思います。
ただ、上で書いた費用以外にも建て替えであれば建物を壊す解体費用や工事の間仮住まいする必要があるので仮住まい費用、不動産を取得した際に発生する不動産取得税などもかかってきます。
人によって状況は様々なのでもっと詳しく話を聞きたいということであれば一番下の問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
見積もりの注意点①「別途」に気を付けよう
例えば35坪で3000万円でできるA社と同じ35坪ですが4000万円するB社があるとするとその1000万円はどんな差があると思いますか。
やっぱりその1000万円は性能の差が大きいんじゃないかしら。
でも1000万円も高かったら安いほうに目が向いてしまいそう…
各メーカーによる性能の違いが占めていることも間違いないのですが、A社の見積もりには地盤改良費・家具・カーテン・照明が「別途」になっていてB社は地盤改良費300万円、家具・カーテン・照明で300万円でみていますとなれば、その差は1000万円ではなく400万円になりますよね。
何が言いたいかというと各メーカーの出している見積もりに何が計上されていて何が「別途」になっているかをしっかり把握する必要があるということです。
確かにA社の3000万円とB社の4000万円と聞くとそこに1000万円も差があるならA社にしようかなと思ってしまう気持ちもよく分かります。
この金額の出し方に決まりはないのでメーカーによって金額の出し方に違いがあるということを認識したうえでメーカー比較するようにしましょう。
予算内でおさまったと思って契約したがいざ詳細の打合せを始めるとあれも別途費用、これも別途費用で結果契約後から数百万円上がったなんてことも聞いたことがあります。
必ず総額の費用だけで判断せずに計上されているもの、別途になっているものをしっかりと見極めましょう!
見積もりの注意点② 設備の仕様
A社は3000万円、B社は3300万円か
A社の方が300万円も安いからA社で契約しよう!
A社で契約して着工に向けて詳細の打合せが始まりました。夢と希望が詰まった自宅を完成させるためのワクワクする楽しい打合せのはずだったのだが…
キッチンの仕様はBタイプにして、色はこっちにしようかな~
Bタイプのキッチンだと大幅に金額が上がってしまいます。
また、この色はオプションになるのでさらに金額が上がってしまいます…
お客様が契約時と同額で選べるものはこの範囲になります。
え?この範囲だけしか選べないの?
他を選ぶとオプションになっちゃうの??
じゃあ契約時はどんなキッチンが入っていたの??
はい。この範囲以外を選ぶと金額が上がってしまいます。
契約時はこのタイプのキッチンが入っていました。
え? (こんなちゃっちい仕様なの…)
こんなキッチンは賃貸住宅と変わらないじゃない!
このお客様はA社の方が300万円安かったから契約しましたが、総額ばかりを比較して契約前にどんな設備がどんな仕様で入っているか確認せず契約してしまいました。
結果、打合せを進めていくにつれて契約時よりも500万円程金額が上がってしまいました。
総額を安く見せようと設備のグレードを下げて提案し、契約後の打合せでどんどん上がってしまい、結局比較したB社と金額がそんなに変わらなかったなんてこともあります。
特に契約後に上がる項目トップ3は
- キッチン
- フローリング材
- 洗面カウンター
キッチンは設備の中でも金額を占める割合が大きく、メーカーや仕様によっては60万円ぐらいのキッチンもあれば1000万円(以上するものもあります)するキッチンと金額の振れ幅がかなり大きいんです。
例えば海外製の食洗器を入れると30~50万円、キッチンの面材や天板を変えると50~100万円、クチーナやキッチンハウスといった高級メーカーにすると200~300万円上がったりすることもあるので、キッチンは何が入っているのか、予算取りしている費用はどれくらいの仕様が入れられるのか契約前に確認しておく必要があります。
また、床材は木を0.2㎜ぐらいに薄くスライスして合板に貼り付けている「突板フローリング」と呼ばれる床材がけっこう標準的に使われることが多いのですが、それをもう少し木の厚みのある「挽板フローリング」や、1本の木から作りだしている「無垢フローリング」に変えたり、タイルにしたりすると床は面積が広いので35坪ぐらいの家だど100~200万円ぐらい金額が上がるんです。
また、木目などがプリントされたシートが張ってある「シートフローリング」というものもあり、突板フローリングよりも安いので契約時これが入っていて打合せで突板や挽板に変えると金額が上がってしまったなんてこともあります。
洗面カウンターは既にメーカーによってシステム化されているものか、一から作り上げる造作カウンターを選ぶかによって金額が数十万円~100万円近く変わってきます。
ハウスメーカー時代に他社で契約したが契約後にどんどん金額アップする不信感からキャンセルしてご契約いただいたお客様もいましたよ。
総額ばかりで比較して安いからという理由で契約してしまうと、契約後の打合せでどんどん金額が上がってしまって「どうしてこうなってしまったんだろう…」と後悔してしまうこともあります。
提案されている金額にはどのような設備が入っていてどのような仕様なのか、予算取りはどれくらいの仕様感が採用可能なのかを契約前に必ず確認して、納得した形でメーカー決定することをおすすめします!