【買わなきゃよかった…】狭小住宅でみんなが後悔するポイント7選
15坪程度の敷地に建てられた住宅のこと
まとまった土地を仕入れた不動産屋や建築屋が、売れやすい大きさに小さく区画割にして販売していることが多いです。
狭小だからこそ固定資産税、都市計画税などの税金が安く抑えられるといったメリットが挙げられます。
狭小住宅のメリット
- 土地代が抑えられる
- 駅近でも売り出されていることが多い
- 固定資産税、都市計画税が安く抑えられる
駅近で金額が抑えられる土地なんてすごく魅力的ですよね!
でも、いいことばっかりじゃないんでしょ?
最初は「狭くても大丈夫!」と思っても「やっぱり住んでみたら後悔した…」って声も聞きますね…
今日は、僕が会社員だったころに携わったお客さんの声から「みんなが狭小住宅を買って後悔したポイント」を7つ紹介するから、狭小地の購入を考えている人は是非参考にしてください!
メンテナンスが出来ない
狭小住宅は住宅が密集しているエリアに、土地いっぱいに建てようとすることが多いため、隣家との距離も近くなります。
人一人通れるのがやっとなくらい隣との距離が近い場合もあります。
建築する際は民法上敷地の境界から50㎝以上離す必要があるのですが、お隣がOKすれば50㎝を切って建築しても問題はなく、狭小地においてはお隣同士お互い様ということですごく距離が近いということも珍しくはありません。
そうなると外壁のメンテナンスが必要になった時に隣との距離が近すぎて足場が組めないという問題が発生します。
一般的な住宅でいうと、外壁のメンテナンスというのは再塗装のことを指し、10〜15年目で塗り直しが必要になります。
大手のハウスメーカーなどでは30年メンテナンス不要と謳っているメーカーもあります。
メンテナンスをしないと外壁の耐久性が低下しひび割れを起こし、そこから雨漏りが発生します。
また、雨漏りが発生すると建物の内部に水が浸透することになるので、構造柱(簡単にいうと家の骨組み部分のこと)が朽ちやすくなり、外壁面だけでなく家全体の耐久性を低下させることになってしまいます。
さらに、水分を含んでしまうので白アリが発生しやすい環境にもなってしまいます。
外壁メンテナンスは非常に重要ポイントになるので、建築する際将来メンテナンスができないような設計にならないよう注意を払う必要がありますね。
階段の勾配が急になる
狭小住宅は図面ではなかなか分かりくいのですが急な階段になりがちです。
理由は限られた敷地の中でいかにスペースを省いて間取りを作っていくかと考えた時に、階段はなるべく小さく作って無駄を省きその分他の居室やLDKを広く取るかと考えられやすいからです。
確かに限られた中でいかに広く間取りが取れるかというのは非常に重要です。
ただ、完成した階段を見ると「こんなに急なの!?」と唖然とする方が多いのも事実…
これから毎日上り下りする階段がこんなに急だとは思わなかった…
図面だけだと分からなかった(泣)
特に狭小住宅は2階にLDKを作ることが非常に多く(1階は玄関や駐車スペース、3階は斜線の影響を受け2階が1番広く確保できるため)毎日当たり前のように階段を使用します。
買い物帰りの両手いっぱいに買い物袋を持っている時や、洗濯物を干すために2階、3階に洗濯物を持って上がる時など、日々の家事で非常にストレスを感じてしまうのがこの急な階段との声も実際には多いんです。
どこの部屋を優先するかにもよりますが階段の踏面(1段あたりの大きさ)や蹴上(1段あたりの高さ)をしっかりと打ち合わせ時に確認することをおすすめします。
駐車スペースが小さすぎる
間取りに目が行きがちで後回しにされることが多いのですが、最初からしっかりと計画をしておかないと後で使いにくい駐車場になってしまいます。
よく街中で見かけるコインパーキングの1台分の大きさは幅2.5m、長さ5m程となっており、大きさにして約3.8坪です。
ただ、この大きさは必要最低限の大きさで自分の敷地でこれから毎日使う大きさとしては決して使いやすい大きさとは言えず、私がハウスメーカー時代に提案していた大きさとしては最低でも幅3m、長さ6mは確保していました。
特に運転に自信のない方は駐車場問題を後回しにしてしまうと完成した時には取り返しのつかないことになってしまいます。
図面上で駐車スペースの大きさを把握することはプロでない方だとなかなか難しいと思いますが、今後車を乗り換える可能性も想定しながら駐車スペースを確保する必要があります。
斜線の影響を受けやすい
狭小住宅は目一杯床面積を確保するため3階建にすることが多いです。
実際に不動産の販売チラシを見ても「3階建て建築可」と記載されていて、土地代を抑えられる狭小地にして、その分3階建を建築しようと検討している人もいるかと思います。
ただ、この3階建を建築するとなると、特に東京都内では日影の規制が厳しく斜線の制限を受けることになります。
写真のような2階の途中から3階部分にかけて屋根が傾斜になっている家を見たことはありませんか?
これは北側斜線と言って、自分の敷地の北側(つまり隣接する家から見ると南側)にあたる隣の家に最低限の日照が確保できるよう斜線の範囲内で建築しなさいという決まりです。
例えば、一般的には光が取り入れられる南側に窓を設けて明るさを確保しようと設計しますが、隣の家が北側まで目一杯建てることによって光が入らなくなってしまいます。
この問題を少しでも解消すため、特に住宅街で建築する際には、北側斜線の規制が厳しいことが多いです。
もちろんこの北側斜線は狭小地だけでなく、どんな土地にも適応されます。
ただ、特に狭小地においては限られた敷地で目一杯建築したいという希望がある中、この斜線によって部屋が狭くなったり、うまく間取りが取れなかったり、敷地の状況によっては3階部分がほとんど確保できなかったりということもあります。
3階建て建築が可能かと言われれば建築可能なのですが、斜線によって思ったより部屋が取れない可能性があるので、狭小住宅にて検討される際は事前に注意が必要になります。
収納が確保出来ない
間取りを構成する上で必ず必要になるのが玄関、階段、お風呂、洗面所、トイレ、LDK、寝室等の各居室です。
そこにプラスして収納を確保していく形になります。
最近ではシューズクローク、パントリー、納戸といった収納スペースが人気ではありますが、狭小地にて建築する場合これらの収納が取りにくいといった問題があります。
1階は階段下を利用して収納にすることも可能ですが根本的に収納スペースが足りず、特に以下のようなものが収納できないという嘆きの声が上がっています。
収納に困りやすいものの例
- ベビーカー(小さなお子様がいる世帯)
- 五月人形や雛人形
- スーツケース(旅行が趣味な方は1週間用の大きさものもあるかと思います)
- 扇風機や電気ヒーターなどの季節もの
- 親族が泊まりにくる時に使用する予備の寝具
居室にあるクローゼットで服や鞄などはしっかりと収納計画がされているのですが、大型の物を収納するスペースを確保出来ずに困っている方が多いように思います。
2〜3帖程の納戸がどこかに確保できれば上手く収納することは可能ですが、どうしてもLDKや居室を優先するが故に収納が取れないといった事態になってしまうようです…
家事動線が悪くなりがち
15坪の土地で3階建を建築するとなると間取り構成が以下のようになることが多いです。
1階 玄関、お風呂、洗面所、夫婦の寝室
2階 LDK、トイレ、バルコニー
3階 子供部屋×2部屋、トイレ、バルコニー
この間取りだと2階のキッチンで家事をしながら、1階に下りて洗濯物をしてといったように上下階の移動が必須になってきます。
また、洗い終わった洗濯物をどこで干すかという問題が出てきます。
外干しであれば1階に物干しスペースが取れればいいですが、狭小住宅においてはなかなか確保するのが難しいため、この間取りだと2階のバルコニーかより日当たりを求めれば3階のバルコニーになるでしょう。
濡れて重たくなった洗濯物を持ちながら階段を上るのは経験した人しか分からないかと思いますがなかなか大変です…
さらに乾いた洗濯物を取り入れて各部屋に持っていくために階段を上り下りしないといけません。
毎日のことなのでこのような家事動線に不満をかかえている方は決して少なくないでしょう。
また、今はよくても年齢を重ねると次第に1階~3階の縦移動が苦痛になってくる人もいるかと思います。
最近では同フロアに寝室などの各居室と洗面所やお風呂などの水回りをバルコニー近くに持ってきて、洗う→干す→取り入れる→たたむ→収納するという一連の動作をワンフロアで完結させる間取りも非常に人気です。
LDKや各居室の広さも大事ですが、日々の家事をイメージしながら老後も想定した自分にとって使いやすい間取りを考えることが重要になってきますね。
長期優良住宅の認定が取得できない
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のことを言います。
そしてその長期優良住宅に認定された暁には税金面や住宅ローンなどで優遇があるなどのメリットがあります。
要するに長い期間良い状態が保持できるように設計されたり配慮されている住宅は税金面などでお得になりますよ~という制度ですね!
例えば以下のようなメリットがあります
- 建物の固定資産税の減税期間が長くなる
- 不動産取得税が減税される
- 住宅ローン控除の限度額の引き上げ
- 住宅ローンの金利が優遇される
長期優良住宅の認定を取得するために申請費用として数万~数十万円かかりますが、それを差し引いても上記のような優遇を受けられるので取得できる建物スペックであれば取得をおすすめします。
ただ、認定を受けるためにはいくつか条件があるのですがその中の1つに住戸面積という項目があり、床面積が75㎡以上で、少なくとも階段を除くひとつの階の床面積が40㎡以上必要という条件があります。
狭小住宅だと階段を除くひとつの階の床面積が40㎡以上取れずに長期優良住宅の認定が取得できないという可能性が大いにあります。
例えば15坪の敷地だと㎡数に換算すると49.58㎡になります。
1つの階で40㎡必要ということは、敷地に対して約80%を占める床面積が1つの階で必要になります(階段を除くということになるので実際にはもう少し必要になります)
この80%という数字は住宅街では実現することは出来ず、もし仮に出来たとしても商業地域のようなビルが立ち並ぶような地域になります。
そのようなオフィス街で住宅を建てようとする人はなかなかいないですよね…
住宅ローンを組む際や住宅ローン控除利用を前提に狭小住宅で検討する方は、後で長期優良住宅が取得できずに損をしてしまったとならないように、事前に知識をつけておく必要があります。
まとめ
今回は狭小住宅のデメリットを7つお話ししました。
実際に狭小住宅を検討している人の中で、「絶対に後悔したくない!」と思っている人は、他の人が後悔しているポイントを確認し、事前に対策をすることで後悔の少ない家づくりができると思います。
また「こんなはずじゃなかった」ということがあると、後々まで嫌な気持ちになってしまいますが、最初から懸念点を理解していると自分の中で折り合いをつけて住むことができますよね。
この記事で紹介した「狭小住宅のデメリット」は以下の7つです。
- メンテナンスが出来ない
- 階段の勾配が急になる
- 駐車スペースが小さすぎる
- 斜線の制限を受けやすい
- 収納が確保出来ない
- 家事動線が悪くなりがち
- 長期優良住宅の認定が取得できない
狭小地でも理想の家を建てることはできます!
特に首都圏で立地にこだわる人は、狭小地も選択肢に入れるべきだとは思います。
今回紹介した他の人が後悔したポイントを踏まえて、自分に合った家作りをしていきましょう!
これから住まいを検討している方はお気軽にラインまで連絡下さい!